今回説明する内容
Logic Apps では特定コネクタが V1 から V2 に変わるなどで廃止となる場合、契約しているメールアドレスに下記のような通知 (例 : SQL Server コネクタが V1 から V2 に変更) が来ます。
Update: SQL Server connector’s V1 actions and triggers will be retired on 31 March 2025 – transition to SQL Server connector’s V2 actions and triggers
上記のようなメールが届いた時、保守担当の方は業務上の影響範囲として実際にどの Logic Apps リソースで当該コネクタが使われているのか調査することになると思いますので、そういったケースにお役立ていただける内容をご説明します。
ちなみに、Azure に関する更新内容は下記ページで更新されます。
Subscribe to Microsoft Azure today for service updates, all …
Azure Resource Graph Explorer の準備
保有しているリソースや詳細情報の検索は Azure Resource Graph Explorer を使うことで行えるので、Azure ポータル上で「Azure Resource Graph Explorer」と検索してください。
開いたら赤矢印の先を確認します。
調査対象のスコープが選べるのですが、ご自身の対応範囲で調整してください。
公開情報としては下記のものが参考になります。
このクイック スタートでは、Azure Resource Graph Explorer を使用して、Azure port…
データベースで使う KQL についての説明
初めにお伝えすると、Resource Graph Explorer の画面を見て分かる通り、今回行うことは Azure データベースの操作になります。
Azure 内で行うデータベース操作については “Kusto” という独自の KQL (クエリ言語) で行われるので、最初にご理解いただければと。
Learn about how to use Kusto Query Language to explore data.…
ただ一応 Microsoft が SQL と Kusto のチートシートを出しているので、バックエンド側の開発者で、データベース今までにいじってた人なら早く適応できるかもしれません。
SQL クエリと同等のKusto 照会言語について説明します。…
Logic Apps リソースを検索する
従量課金制 Logic Apps の場合
Resource Graph Explorer で左側の [統合] – [ロジック アプリ] をクリックすると、勝手に下記画面のようなクエリが追加されます。
resources
| where type == "microsoft.logic/workflows"
ちなみにカテゴリとしては、Azure の製品紹介に記載がある分類のようです。
Azure の製品とサービスをカテゴリ別にまとめました。多様なカテゴリのサービスをご覧になり、検索範囲を絞り込んでくださ…
実行結果が出てきたら、右側スクロールで [詳細の表示] が出来ます。
展開すると色々と情報が出てきますが、”type” でしっかり分類出来ていることが分かりますね。
Standard Logic Apps の場合
皆様ご存知かと思いますが、Standard Logic Apps は App Service にホストされており、App Service と Azure Functions を継承しているため、従量課金制とは指定条件が異なります。
まず、App Service の場合はリソース プロバイダーが “Microsoft.Web” になります。
Azure Resource Manager のすべてのリソース プロバイダー名前空間を一覧表示し、その名前空間の Az…
そして、リソース プロバイダー名が “Microsoft.Web” だった場合は、確認するテーブルが「resources」ではなく「appServiceResources」になります。
Resource Graph テーブルと、Azure Resource Graph で使用可能な Kusto データ型、…
そのため、テーブルを切り替えて下さい。
テーブルを切り替えて「AppServiceResources」と検索すると、ヒットします。
トグルボタンを展開すると Standard Logic Apps のワークフロー情報が書かれたものが出現するので、クリックすると従量課金制の時と同じくクエリが自動入力されます。
appserviceresources
| where type == "microsoft.web/sites/workflows"
特定コネクタを検索する
さぁいよいよ本番なのですが、やること自体は至って単純です。
クエリ実行時に “properties” という項目があったと思うのですが、こちらが Logic Apps リソース内のコード ビューから確認できるものと同じものになります。
つまるところ、クエリ実行の際 “properties” に条件を指定してあげることで、どのワークフローでどのコネクタを利用しているのか知ることが出来ます。
じゃあ「実際にどうするの?」というところで、試しに Logic Apps の “Initialize variable” アクションが入っているワークフローを検索してみます。
条件指定の際に contains を使用します。
すると “properties” の中に “Initialize” が含まれたワークフローのみが出力されます。
resources
| where type == "microsoft.logic/workflows"
| where properties contains "Initialize"
最後に
ご紹介した内容を参考にしていただくことで「Logic Apps でコネクタが廃止される」というようなメールが来た時に対応出来るかと思います。
また、本記事は下記の Azure Integration サポート チームの方が執筆された記事も参考にさせていただいたので、他に不明点があればご参照いただければと。
こんにちは! Azure Integration サポート チームの 山田 です。 今回は、ある特定の条件の Logi…